食事を抜かれ、少食になっていく息子
私が仕事に行っている間は、夫の虫の居所が悪いとろくに食事を与えてもらえない息子。
帰宅すると、お腹を空かせて何かもらおうとすぐに傍に寄ってきます。
そんな様子を横で見つつ、「何もやるなよ」と態度で威嚇するから。
目が届く範囲では何もあげられません。
こっそりキッチンの隅で小さなチョコレートを1粒2粒あげて、「早く食べて」と促す。
そんな時に夫がキッチンに寄ってこようものなら、息子は慌てて飲み込みます。
せっかくの大好きなチョコレートも、落ち着いて食べられなかったね。
私が働いてそのお金で食材を買っているのに、何故与えては駄目なの？
ご飯を食べてなかったら、お腹が空くのは当然でしょう？
弱い私は、おかしいと思っていたのに「止めて欲しい」と言うこともできず。
息子はどんどん少食になっていきました。
食べるのが大好きだった息子は、小さい頃はとても沢山食べました。
あんまりにも沢山食べるものだから、周りの大人が途中で気を反らして途中で止めさせたほど。
それがごく少量で「ごちそうさま」をするようになりました。
夫が怒っていない時でさえ、落ち着いて食事することはなく常にソワソワ。
そして、おかずもろくに食べずに、ご飯だけを口いっぱいに詰めて飲み込み、ごちそうさまをします。
分かってるよ。
傍に居たくないんだよね。
私もご飯が終わったら休む間もなくすぐに立ち上がり、食器を洗い始めます。
家事を終わらせて少しでも早く寝る準備を済ませ、口をきかなくても良い環境を整えたいから。
息子は、その間にお風呂に入って髪の毛を乾かします。
そして翌日の準備を済ませて歯を磨き、「まだ早くない？」という時間に布団に入ります。
布団に入っている時間だけが、心休まる時だったね。
ふと寝室の方を通りかかった時、息子が黙ってじーっと天井を見つめているのに気づきました。
あの時、何を考えてたんだろう。
思いつめたような表情で、まだ7歳頃だったのに少し大人びて見えた。
この年の子供が大人びて見える時には、何か問題を抱えていることが多いです。
わが子もそう。
自分では対処しきれない多くのことを抱えて、もがき苦しんでいたことは容易に想像できます。
私が、「思い切っておじいちゃんとおばあちゃんに相談してみようか」と言ってみたこともありました。
でも息子は「言わない方が良いよ。バレたらもっと大変なことになるよ」と言いました。
そうか。
誰かに相談するのは、私たちが逃げる準備が全て整った時なんだ。
その時はまだすぐに出られる状況ではありませんでしたので、時々は色々と理由をつけて息子を外に連れ出しました。
二人だけの時間の時は、ゆっくりと食事をして楽しく過ごせます。
いつもはすぐに「ごちそうさま」をする息子も、いっぱい食べてご機嫌です。
ただ一つ問題は、帰る時間が近づくと二人とも気持ちが沈み、口数も減っていくことです。
「また来ようね」
私たちは合言葉のように毎回帰り道に何度もそう言いました。
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