息子の異変
連日のように父親からイジメられる息子。
真っ白な幼い心は色々なことを吸収していきますが、マイナスの出来事からも深く影響を受け、そして影を落としました。
それが顕著に表れていたのが、4歳から7歳頃だったと思います。
実家に帰省した時、
「ゆーちゃん(←息子のこと)、ちょっと乱暴すぎない?」
「あなたは優しくて怒らないけど、男の子だからちょっと厳しく躾けた方が良いかもよ」
と母に言われました。
もちろん母に悪気はありません。
確かに息子の態度も褒められたものではなく、年の近い従妹に意地悪したり、時には叩いたりしていました。
その瞬間は私もガッと怒るのですが、周りから見たら物足りなく感じていたのでしょう。
私の兄弟からも同じような指摘を受け、とても悩みました。
息子は自分が父親にされていることを、周りの人にしているように見えます。
夫は「お前のことが大事だから注意するんだ」と言いますが、これは呪いの言葉です。
だって、何もしていない時でもいきなり不機嫌をぶつけられることもあるのに、それさえも正当化するからです。
大事に思ってやったことだから、お前も許さなければならない。
そう言っているように思えてなりません。
きっと息子も勘違いしていたのだと思います。
嫌なことをしても、相手が自分を好きなら許してくれると勘違いしていたフシがあります。
それを証拠に、そういう場面では相手の様子をじっと観察していました。
従妹たちは優しい子ばかりで、息子のそんな態度に怒ることもなく大きなトラブルにはなりませんでしたが、こんな時どうしたら良いのだろうかと真剣に悩みました。
帰省中に悩みながら過ごし、息子にも少しキツく当たってしまった気がします。
帰る時、いつも父と母が駅まで送ってくれるのですが、ホームで待っている時に再度念を押されました。
「ゆーちゃんはね、ちょっとやんちゃだから。今のうちに良いことと悪いことをきちんと教えないとね」
私はうつむいて、「うん、気をつけるよ」と言いました。
電車に乗り込むと、穏やかな顔で手を振る母の姿が見えます。
分かってる。心配して言ってくれてるんだってことを。
少しでも良い方向に向かうために助言してくれてるんだよね。
有り難いという気持ちと、どうしたら良いの?という気持ちとで頭の中がぐちゃぐちゃになり、ホームが見えなくなってから涙がドバーっと出てきました。
息子には
「乱暴はことをされたら誰でも嫌な気持ちになるでしょ?だから絶対にやっちゃだめだよ」
とか
「おじいちゃん家にいる間、(従妹)ちゃん達に嫌なことを沢山したでしょう。あんなことをしたら、もう一緒には遊べないんだよ」
と伝えました。
真剣な顔で聞いていましたが、ポツリと
「じゃあ、何でパパは僕にするの?」
と聞きました。
その言葉を聞いたら何も言えなくなり、息子を抱きしめて泣きました。
グリーン車に乗っていたので比較的周りから見えなかったとは思いますが、気付いた人は驚かれたことでしょうね。
夫のことが無ければ、楽しい楽しい帰省になるはずでした。
まだ当分実家の父と母にも言うつもりはなく、兄弟にも相談しておらず、二人だけで何とか乗り越えようとしていました。
でも無理でした。
そんな状態の息子を、私までもが叱りつけるのも無理でした。
優しさから言ってくれる言葉にさえ過敏に反応してしまい
「私たちは皆にとって邪魔な存在なんだ」
と思うようになり、いつしか実家や兄弟との連絡も避けるようになりました。
外の世界との関係が遮断されていくと、よりモラハラ夫に精神的に支配されるようになり、息子は笑わなくなりました。
穏やかにはなったけど、表情が消えたのです。
そんな変化に対して、(少しお兄ちゃんになったから落ち着いたのかな)と思っていた私は大馬鹿です。
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