気が付いたら、すぐ目の前に車が…

モラハラ生活も長くなってくると、正常な思考能力や判断力が奪われていくものです。

 

あれは夏の暑い日のことで、いまだに思い出しただけでぞっとします。

 

会社の用事で外出していたのですが、外はとても暑くて最高気温は35℃。

この暑さで少しバテていたのもありますが、その時頭の中を占めていたのは別のことで、常時心ここにあらずという状態でした。

 

夏休みに入り、息子は毎日家にいます。

朝から晩まで夫と二人きり。

 

学校がある日でも、帰宅後の数時間を一緒に過ごすのが苦痛なのに、朝起きてからずーっと一緒です。

長く一緒に居ると、たっぷりと痛めつける時間があるので、息子は私の予想以上にダメージを受けていることがほとんどでした。

 

その日は、前日に息子がまた叱られて家の中の空気も最悪で。

だから、仕事に行っても家のことが気がかりで全く集中できませんでした。

 

病院にかかるほどの怪我こそありませんが、あざになる程度はたびたびありましたので、私が帰るまでに酷い怪我をさせられるのではないかという恐怖にいつも支配されていました。

 

外出しても気分転換にはならず、常に息子の泣き顔が思い浮かびます。

気になってくると、もう何も手につかなくなり、私は思いきって外に出たタイミングで電話しました。

 

電話口の声を聞いた瞬間、一気に血の気が引きました。

今現在も息子が叱られている。

夫の機嫌は最悪で、ヒステリックに怒っている。

息子は委縮して声も出せない状態でした。

 

そんな時に電話しても、全く出ないかすぐに切られてしまうので、会社に行っている間は止める術がありません。

 

しつこく電話をかけ続けると更に怒りがヒートアップするので逆効果です。

その怒りの矛先が、さらに息子を追い詰めることになるのだけは避けたい。

 

だから、一度かけてガチャ切りされてからは連絡を我慢しました。

本当はすぐにでも帰りたかったけど。

 

そんなこんなで、外出している間も心ここにあらずという状態だったので、気が付いたら交差点の真ん中まで出てしまっていました。

赤信号なのに、です。

車通りの激しい道で、周囲の人も驚いてこちらを見ていました。

 

私はその頃、少しも自分を大切にすることができませんでした。

夫の状態が変わらなくて私たちが苦しめられ続けるのなら、いっそ私がどうにかなって思い切り後悔して欲しい。

そう考えていました。

でも、実際には息子を残していくことなどできません。

 

だから、すぐ目の前に車が迫っているのに気づいた時には真っ先に息子の顔が思い浮かびました。

「ママが居なかったら、ぼくは生きていられなかった」

後から息子はそう言ってくれましたが、その時にもし何かあれば今のこの幸せもなかったでしょう。

 

自暴自棄になったとしても、私には息子を立派に育てなければならないという使命があります。

だから、健康に注意して元気に過ごしていきたいと思うのです。

私が笑顔で過ごすことで、息子も安心できる。

そんな小さな幸せが、今の私たちにとっての全てです。

 

 

 

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