年末はいつも夫が爆発して、家庭内はめちゃくちゃに
夫は本当に些細なことで激高するので、私も息子も家にいる間中神経をとがらせていました。
それでも避けられない時はあります。
いつも決まって大爆発を起こすのが年末で。
ちょうど顔を見に来ていたた義父母も、夫の切れっぷりを見て後でこっそり「いつもこの時期だな」と言っていました。
だけどやっぱり実の息子のことなので、悪くは言いません。
「病気のせいなのかな・・・」
「悪気はないんだよ、許してやって」
万が一病気にならなければ、夫が頻繁に切れることもなく、ビクビクしながら生活することも無かったのかもしれない。
だけど実際に起きていることなのだから、その全てに目をつぶって我慢するのはまた別の話。
そんな過酷な我慢を、幼い息子にも強要できますか？
年末の修羅場で一番酷かったのは、息子が5歳くらいの頃のことです。
あの日は朝からよく晴れていて、ガラス越しに入る日差しがとても温かでした。
南向きの我が家はまぶしい位に明るくて、温かい部屋の中で「年末はどんな料理を作ろうか」などと考えていました。
息子も、お気に入りの本を読んだりDVDを見たりと、ごく普通に過ごしていました。
モラハラにはサイクルとか傾向があるのですが、その時は夫も穏やかな様子だったので、私はこの時期が危ないということを、ついつい忘れて気を抜いてしまいました。
突然夫の目が据わったかと思うと、激しい口調で怒鳴りつけました。
息子への暴言はその頃既に酷かったので、私はとっさに身構えて守ろうとしました。
それが気に入らなかったのか、夫は更にヒートアップ。
議論なら負けないと日頃から自負している人ですので、口下手な私なら楽に黙らせることができると思ったのでしょう。
だけど、私の方も息子へのあまりの仕打ちに日頃の不満が溜まりに溜まっていました。
だから、恐かったけれど勇気を振り絞って必死で言い返しました。
何が原因だったのか今でも覚えていません。
それ位、くだらないことなんです。（いつもそう）
だけど、夫の基準に合わないことは一切受け付けず、激しく責め立てます。
心の中では「何とかなだめないと、この後の我が家の雰囲気が最悪になる」とは分かっていたけれど。
息子に対してどうしてもっと優しくできないのか。
私にも不満があるようだけれど、これ以上どうしろと言うのか。
そんな思いが勝ってしまい、黙っては居られませんでした。
言い合い（とは言っても夫が鼓膜の破れるような声で怒鳴って、私が静かに否定するの繰り返し）を始めてからどれ位経ったでしょう。
最初はペンを投げたり、その辺に置いてあった紙を破ったりして小さく物に当たっていた夫ですが。
いきなり、目の前の家具を物凄い勢いで殴りました。
私と息子はハッと息をのんで、あまりの恐ろしさに動くことができなくなりました。
その後は泣きながら
「どうせ俺が全部悪いんだろ！」
とか
「何でもかんでも人のせいにしやがって！」
とか
「もう嫌だ！」
とかわめきながら、暴れていました。
家から離れたい。
その時強く思いましたが、出た所でどこに行くと言うのでしょう。
この時は実家の両親にも兄弟にも相談していなかったので、この現状を話せる人がいませんでした。
だから、「お夕飯の買い物に行ってくるね」
とだけ伝えて、少し外出することにしました。
息子を連れて近くのスーパーに行くと、年末用に飾られた色とりどりの食材が並んでいます。
それを見るお客さんたちは皆穏やかで、とても幸せそうに見えました。
私はふと「どうしてこんな風になっちゃったんだろう」と悲しくなって。
それから、息子に申し訳ないと思いました。
そして、買い物を終えたらまたあの地獄のような家に帰らなければならないという事実に打ちひしがれました。
きっと、少し時間が経てば大丈夫。
穏やかな生活に戻れる。
モラハラを受けている人は皆こういう思考になるそうですが。
私も例外ではありませんでした。
こんなことが起きていること自体が異常なのに。
それを通り過ぎて元に戻れば問題はないのか、というとそうではありません。
家に帰ると、夫が殴った手の甲を見せて「腫れちゃった。変な色になってる」と言いました。
当たり前でしょう？ 自業自得でしょう？
という言葉を飲み込んで、「大丈夫？シップでもしたら」と声をかけると夕食の準備を始めました。
何度このやり取りを繰り返したでしょう。
またいつ爆発するか分からないので、絶えず息子に気を配ります。
幼い心にはどんなに恐ろしい光景だったかと思うと、胸が張り裂けそうです。
こんなやり取りが毎年のように起こっていて。
通常の時も、中くらいの爆発は年中あって。
心の安まる日はありませんでした。
あっ、中くらいと言っても1週間無視されたり、鼓膜が破れるほど怒鳴られながら夜中までお説教されたり、息子なんか首根っこをつかまれて持ち上げられるようなレベルですよ。
そんなこんなで、年末になると少し辛い気持になります。
今は脱出できているけど、完全に縁が切れたわけじゃない。
私たちの心の中からモラハラ夫が綺麗さっぱり居なくなるのは、いつなんだろう。
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